根を詰めて作業していると急にぼーっとするのはなぜ?無意識の浅い呼吸が原因
集中して作業しているときほど、急にぼーっとして眠くなることがある。実は無意識のうちに呼吸が浅く速くなり、脳への血流が一時的に減っている可能性が報告されています。
- 1集中して考え事をしているときに呼吸が無意識に浅く速くなり、脳血流が一時的に低下することが報告されている。
- 2口呼吸の習慣がある人ほど、この無意識の過呼吸傾向が起こりやすいと考えられる。
- 3定期的に深呼吸を挟むことで、脳血流の低下を緩和できる可能性がある。
集中して作業しているときに呼吸が無意識に浅く速くなり、脳への血流が一時的に低下することが報告されている。定期的な深呼吸で緩和できる可能性がある。
「集中しているのに眠くなる」の正体
難しい計算や資料作成に集中しているとき、急に頭がぼーっとして眠気に襲われる経験はないでしょうか。一見矛盾しているようですが、これは呼吸のリズムの乱れが関係している可能性があります。Debreczeniらの研究では、暗算のような精神的な負荷がかかる作業中に、無意識のうちに呼吸が浅く速くなる(過呼吸傾向になる)ことで血液中の二酸化炭素濃度が下がり、脳の血流速度が低下することが確認されています。
なぜ二酸化炭素が減ると脳血流が下がるのか
直感的には「呼吸が速い=酸素がたくさん取り込めて良さそう」に思えますが、実際には血液中の二酸化炭素濃度が脳の血管の太さを調整する重要な役割を担っています。呼吸が浅く速くなりすぎると血中の二酸化炭素が過剰に排出され(低炭酸ガス血症)、脳の血管が収縮し、脳への血流が一時的に減少します。この状態が、集中しているはずなのに頭がぼーっとする、眠気に襲われるという感覚として現れると考えられています。
見落とされる理由:口呼吸の習慣が引き金になりやすい
この無意識の過呼吸傾向は、普段から口呼吸の習慣がある人でより起こりやすいと考えられます。Izuharaらの大規模な疫学研究(永濱スタディ)では、口呼吸の習慣がある人で呼吸器系の不調のリスクが高いことが報告されており、口呼吸は鼻呼吸に比べて呼吸のリズムが浅く速くなりやすい傾向があるとされています。集中して作業しているときに口が開いている、口の中が乾いていると気づいたら、この無意識の過呼吸が起きているサインかもしれません。
- 集中して考え事をしているときに限って眠気やぼんやり感が出る
- 気づくと口が半開きになっている、口の中が乾いている
- 深く長い呼吸ではなく、浅く速い呼吸になっている自覚がある
- 手足がしびれるような感覚を伴うことがある
今日からできる対策
- 1作業の合間に、意識的にゆっくり長く息を吐く吸う時間より吐く時間を長くする呼吸を1〜2分行うことで、乱れた呼吸のリズムをリセットしやすくなります。
- 2集中しているときこそ口を閉じることを意識する口呼吸に気づいたら鼻呼吸に切り替えるだけで、呼吸のリズムが安定しやすくなります。
- 350分作業したら1回、席を立って深呼吸をする姿勢を変えて大きく呼吸することで、脳血流の低下を早めにリセットできる可能性があります。
対策に役立つアイテムの目安
吸う・吐くの長さを一定のリズムに整える練習ができ、無意識の過呼吸に気づくきっかけになります。
価格はいずれも目安。特定商品を推奨するものではなく、提携先が決まり次第リンクを設置します。
受診を検討したいケース
よくある質問
Q深呼吸をしても眠気やぼんやり感が改善しない場合は?
睡眠不足や他の体調の問題が重なっている可能性もあります。数日試しても変化がない場合は、生活全体の睡眠・食事の見直しや医療機関への相談も検討してください。
Q手足のしびれやめまいを伴う場合はどうすればいいですか?
強い過呼吸状態(過換気症候群)では手足のしびれやめまい、動悸を伴うことがあります。症状が強い、繰り返す場合は自己対処にこだわらず医療機関を受診してください。
本記事の内容は一般的な情報提供であり、医学的診断ではありません。症状が強い・長引く場合は医療機関へご相談ください。