夜中に息苦しさで目が覚めて口の中が酸っぱいのはなぜ?逆流と呼吸の悪循環
夜中に胸のむかつきや酸っぱさを感じて目が覚める。実はこの“逆流”と、いびきや無呼吸のような呼吸の乱れは互いに影響し合い、悪循環を作っている可能性が報告されています。
- 1睡眠時無呼吸症候群がある人では、夜間の胃酸の逆流が起こりやすいという関連が報告されている。
- 2呼吸が乱れて胸腔内の圧力が変化することが、逆流を誘発する一因になり得ると考えられている。
- 3逆流による目覚めが多い場合、単独の胃の問題としてだけでなく、睡眠中の呼吸状態も合わせて見直す価値がある。
夜間の胃酸の逆流と、睡眠中の呼吸の乱れは互いに影響し合う関係にあることが報告されている。逆流による目覚めが多い場合、呼吸状態も合わせて見直す価値がある。
「逆流」と「呼吸の乱れ」は別々の問題ではない
夜中に胸やけや酸っぱいものが上がってくる感覚で目が覚める場合、消化器の問題だけを疑いがちです。しかしJaimchariyatamらの研究では、睡眠時無呼吸症候群を持つ患者において、無呼吸などの呼吸イベントの直後に夜間の胃酸逆流が起こりやすいという関連が報告されています。呼吸が止まりかけると、その回復のために胸腔内の圧力が大きく変化し、これが胃の内容物を食道側へ押し上げる一因になり得ると考えられています。
悪循環になりやすい理由
この2つは互いに悪化させ合う関係にあるとされています。呼吸の乱れが逆流を誘発する一方で、逆流によって食道や喉の粘膜が刺激されると、それが呼吸のさらなる乱れやむせ・咳を引き起こすこともあります。結果として、本人は「胃の調子が悪いだけ」「いびきをかいているだけ」と別々の問題として捉えがちですが、実際には夜間を通してこの悪循環が繰り返されている可能性があります。
こんなサインがあれば要注意
- 夜中に胸やけ・酸っぱさで目が覚めることが週に何度もある
- パートナーからいびきや呼吸が止まっていると指摘されたことがある
- 朝起きたときに喉の違和感や声のかすれがある
- 日中、睡眠時間の割に強い眠気が続く
見落とされやすい要因:口呼吸・舌の位置
睡眠中の呼吸の乱れには、気道の狭さだけでなく、舌の位置や口呼吸の習慣も関わっているとされています。口周りの筋機能(舌や口の周囲の筋肉の使い方)を整えるアプローチが睡眠時無呼吸の症状改善に関連するという報告もあり、逆流と呼吸の悪循環を考える上で、単に「胃薬でしのぐ」以外の視点を持つ価値があります。
今日からできる対策
- 1就寝の2〜3時間前までに食事を済ませる胃の中に食べ物が残った状態で横になると、逆流が起こりやすくなります。夕食の時間を早める、または軽めにするだけでも変化が期待できます。
- 2上半身をわずかに高くして眠る枕を1つ足す、またはベッドの頭側をわずかに上げることで、重力の助けを借りて逆流を起こりにくくします。
- 3横向きで眠る習慣をつける仰向けは気道が狭くなりやすく、いびきや呼吸の乱れにつながりやすいとされています。抱き枕などを使い横向きを保ちやすくします。
対策に役立つアイテムの目安
上半身をわずかに高くすることで、就寝中の逆流を起こりにくくする目的で使われます。
仰向けを避け横向きの姿勢を保ちやすくし、気道の狭窄を軽減する狙いで使われます。
価格はいずれも目安。特定商品を推奨するものではなく、提携先が決まり次第リンクを設置します。
受診を検討したいケース
よくある質問
Q胃薬だけ飲んでいれば大丈夫ですか?
逆流の症状だけを抑えても、背景に呼吸の乱れがある場合は根本的な改善にはつながりにくいと考えられます。いびきや呼吸停止を指摘されたことがある場合は、消化器内科だけでなく睡眠外来への相談も検討してください。
Q太っていなくても睡眠時無呼吸は起こりますか?
体格に関わらず、あごの形や舌の大きさ、鼻づまりなどによっても気道が狭くなることがあります。体格だけで判断せず、いびきや日中の眠気などの症状で判断することが大切です。
Q何科を受診すればよいですか?
逆流症状が主体であれば消化器内科、いびきや呼吸の乱れが気になる場合は睡眠外来や耳鼻咽喉科への相談を検討してください。両方の症状がある場合はその旨を伝えるとスムーズです。
- [1]Jaimchariyatam N, et al. Association between respiratory events and nocturnal gastroesophageal reflux events in patients with coexisting obstructive sleep apnea and gastroesophageal reflux disease. Sleep Med. 2016
- [2]de Felício CM, et al. Obstructive sleep apnea: focus on myofunctional therapy. Nat Sci Sleep. 2018
本記事の内容は一般的な情報提供であり、医学的診断ではありません。症状が強い・長引く場合は医療機関へご相談ください。