上を向いたり長時間うつむいた後にめまいがするのはなぜ?首が原因のめまい
洗濯物を干そうと上を向いた瞬間や、スマホを見続けたうつむき姿勢の後にくるめまい。耳鼻科で異常がない場合、首の筋肉や関節が引き起こす“頸性めまい”という可能性があります。
- 1耳鼻科的な異常がないめまいの一部は、首の筋肉や関節の感覚異常による“頸性めまい”の可能性がある。
- 2長時間のうつむき姿勢(スマホ首・前方頭位)が首への負担を高め、頭痛と同時にめまいを起こすことがある。
- 3首を後ろに固定する深部の筋肉を鍛えるエクササイズで、頭痛や睡眠の質に改善がみられたという報告がある。
耳鼻科で異常が見つからないめまいの一部は、首の筋肉・関節の感覚異常による“頸性めまい”の可能性がある。長時間のうつむき姿勢が引き金になりやすい。
めまい=耳、とは限らない
めまいというと三半規管など耳の中の異常を思い浮かべがちですが、首の筋肉や関節にも体のバランスを保つためのセンサーが集まっています。Olmezらの研究では、首の痛みを持つ患者において「頸性めまい」と呼ばれる、首由来のふらつき・浮遊感が一定の割合で確認されており、首のリハビリテーションによって症状が改善したことが報告されています。耳鼻科的な検査で異常が見つからないめまいが続く場合、首の状態を疑ってみる価値があります。
見落とされる理由:うつむき姿勢が首のセンサーを狂わせる
スマホやパソコンを見続ける「前方頭位(頭が肩より前に出た姿勢)」は、首の後ろの筋肉に持続的な緊張を強います。この姿勢が続くと、首の筋肉や関節から脳へ送られる位置情報(自分の頭がどこを向いているかという感覚)が乱れやすくなり、めまいやふらつきとして感じられることがあります。Choiらの研究では、前方頭位で緊張型頭痛を持つ患者に対して首の深部にある屈筋を鍛えるエクササイズを4週間行ったところ、頭痛の程度だけでなく睡眠障害の指標にも改善がみられたと報告されています。首の状態が、頭痛・めまい・睡眠の質という複数の不調に同時に関わっている可能性を示す結果です。
こんなときに起こりやすい
- スマホを見ながらうつむいた姿勢を長時間続けた後
- 上の棚のものを取ろうと急に首を後ろに反らしたとき
- デスクワークで肩が前に出た姿勢のまま数時間経過したとき
- 首や肩のこわばりを同時に感じているとき
今日からできる対策
- 11時間に1回、あごを軽く引いて首の後ろを伸ばすうなずくように顎を軽く引き、首の後ろが伸びるのを感じる姿勢を10秒キープします。前方頭位を戻すきっかけになります。
- 2スマホは目の高さまで持ち上げて見る画面を下げて見る姿勢を減らすだけで、首への持続的な負担を軽くできます。
- 3急に上や後ろを向く動作の前に、一呼吸おく首を勢いよく動かすと、めまいの引き金になりやすいため、ゆっくり動かす習慣をつけます。
対策に役立つアイテムの目安
画面の高さを目線に近づけ、うつむき姿勢の時間を減らす助けになります。
デスクでの休憩中に首のカーブを支え、緊張をリセットする目的で使われます。
価格はいずれも目安。特定商品を推奨するものではなく、提携先が決まり次第リンクを設置します。
受診を検討したいケース
よくある質問
Q頸性めまいかどうかは自分で判断できますか?
首の動きや姿勢との関連が強く疑われても、耳鼻科的な原因や他の病気が隠れている可能性もあるため、自己判断だけに頼らず、めまいが続く場合は耳鼻咽喉科や整形外科での確認をおすすめします。
Q回転性の強いめまい(グルグル回る感じ)も同じ原因ですか?
強い回転性のめまいは耳の内耳由来である可能性が高く、頸性めまいとは仕組みが異なるとされています。症状のタイプによって受診先を検討してください。
Q首のストレッチをしても改善しない場合は?
数週間続けても変化がない、めまいの頻度や強さが増している場合は、自己対処にこだわらず医療機関での評価を検討してください。
- [1]Olmez GB, et al. Prevalence of cervicogenic dizziness in patients with neck pain and effectiveness of cervicogenic dizziness rehabilitation. Ann Med Res. 2024
- [2]Choi JH. Effect of 4 weeks of cervical deep muscle flexion exercise on headache and sleep disorder in patients with tension headache and forward head posture. Int J Environ Res Public Health. 2021
本記事の内容は一般的な情報提供であり、医学的診断ではありません。症状が強い・長引く場合は医療機関へご相談ください。