健康診断は異常なしなのに疲れが取れないのはなぜ?健診で“測っていない”3項目
毎年の健診は全部A判定。それでもだるい。原因は「異常がない」のではなく、一般的な健診項目に入っていない数値——フェリチン(貯蔵鉄)・ビタミンD・マグネシウム——が見られていないだけかもしれません。
- 1ヘモグロビンが正常でも貯蔵鉄(フェリチン)が低い“隠れ貧血”では、鉄の補充で疲労が有意に改善したランダム化試験がある。一般健診でフェリチンは通常測らない。
- 2東京在住の成人5,518人の98%がビタミンD不足・欠乏レベル。こちらも健診項目外。
- 3マグネシウムは日本人の平均摂取量が推奨量を2〜3割下回る。だるさが続くなら“測っていない項目”を医師に相談するのが近道。
健診の「異常なし」が意味すること・しないこと
一般的な健康診断の血液検査は、貧血ならヘモグロビン、肝機能、脂質、血糖などが中心です。ヘモグロビンが正常範囲でも、体内に蓄えている鉄(フェリチン)が枯渇しかけている状態は「異常なし」と判定されます。ビタミンDやマグネシウムは項目に入っていないことがほとんどです。つまり“測っていない”のであって、“問題がない”とは限りません。
見落とされがちな項目1:フェリチン(貯蔵鉄)
月経のある女性を中心に、ヘモグロビンは正常でもフェリチンが低い人は珍しくありません。貧血ではないがフェリチンが低く疲労を訴える女性に鉄を補充したランダム化比較試験では、12週間で疲労スコアがプラセボ群より有意に改善しました。動悸・息切れ・爪の変形・氷が無性に食べたくなる、などが手がかりです。
鉄は過剰でも害があり、男性や閉経後女性のフェリチン低値は消化管出血などの原因検索が必要な場合があります。まず血液検査で確認し、医師の指示で補充してください。
見落とされがちな項目2・3:ビタミンDとマグネシウム
東京在住の健康な成人5,518人を調べた研究では、98%が血中25(OH)D 30ng/mL未満の不足・欠乏レベルでした。在宅ワークで日光を浴びない生活は直撃します。ビタミンD欠乏の成人にD3を投与したランダム化試験では自覚的疲労が有意に改善しています。マグネシウムはATP産生を含む300以上の酵素反応の補因子で、日本人の平均摂取量は推奨量を2〜3割下回ります(国民健康・栄養調査と食事摂取基準の比較、編集部集計)。
7位受診時にそのまま言える一文
「健診は異常なしですが、数か月だるさが続いています。フェリチンと25(OH)ビタミンDを測ってもらえますか」——この一文で話が早い。自費になる項目もあるので費用は事前に確認を。
| 項目 | 一般健診 | 何がわかるか | 目安費用 |
|---|---|---|---|
| ヘモグロビン | ◯ 含まれる | 貧血の有無 | 健診内 |
| フェリチン | × 通常なし | 貯蔵鉄の枯渇(隠れ貧血) | 保険適用の場合あり/自費なら数千円 |
| 25(OH)ビタミンD | × 通常なし | ビタミンD不足・欠乏 | 自費の場合が多い(数千円〜) |
| 血清マグネシウム | × 通常なし | 重度の欠乏(軽度は反映されにくい) | 数百〜数千円 |
- 1毎食に海藻・豆・ナッツのどれか1つマグネシウムは特別な食材ではなく“和食の脇役”に多い。味噌汁にわかめ、納豆1パック、間食をアーモンドに。
- 2昼休みに15分、手や顔に日光を浴びるビタミンDは皮膚で合成される。夏は木陰でも十分、冬は日なたで長めに。
- 3赤身の肉・魚・レバーを週に数回ヘム鉄は吸収率が高い。植物性の鉄はビタミンCと一緒に。
“測っていない項目”を埋めるアイテム3選
受診のハードルが高い人向け。数値を見てから医師に相談できる。
欠乏が確認できたら医師に相談のうえで。過剰摂取リスクがあるので高用量を自己判断しない。
食事で足りない分を補う。摂りすぎは下痢の原因になるので表示量を守る。
価格はいずれも目安。特定商品を推奨するものではなく、提携先が決まり次第リンクを設置します。
よくある質問
Q甲状腺は関係ない?
甲状腺機能低下症も“健診では見つかりにくい疲労の原因”の代表です。寒がり・むくみ・体重増加・便秘が重なるなら、TSH・FT4の測定も医師に相談してください。
Qサプリを先に飲んでみてもいい?
ビタミンD・マグネシウムは表示量の範囲なら大きな問題は起きにくいですが、鉄は必ず検査してから。いずれも「測ってから補う」が最短です。
- [1]Vaucher P, et al. Effect of iron supplementation on fatigue in nonanemic menstruating women with low ferritin: a randomized controlled trial. CMAJ. 2012
- [2]Miyamoto H, et al. Determination of a serum 25-hydroxyvitamin D reference ranges in Japanese adults using fully automated LC-MS/MS. J Nutr. 2023
- [3]Nowak A, et al. Effect of vitamin D3 on self-perceived fatigue: A double-blind randomized placebo-controlled trial. Medicine (Baltimore). 2016
- [4]NIH Office of Dietary Supplements. Magnesium — Fact Sheet for Health Professionals
- [5]厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)/国民健康・栄養調査
本記事の内容は一般的な情報提供であり、医学的診断ではありません。症状が強い・長引く場合は医療機関へご相談ください。